相続に関するご相談~遺産分割協議

住まいに関わる相続の大切なおはなし その4
相続に関するご相談~遺産分割協議
文:司法書士法人 あい事務所 代表 田中 裕志 氏

今回は、相続に関する具体的な相談をご紹介します。以下は私が実際に以前いただいたご相談と、その回答です。

《相談内容》

先日、同居していた父親が亡くなりました。母はすでに他界しているので、相続人は私たち兄弟3人です。ふだんあまり交流がない兄弟ですが、父の遺産をどのように分ければよいでしょうか。(会津若松市 Tさんより)

《回  答》

Tさんのように、相続の話し合いで「致命的に仲が悪いわけではないけれどもコミュニケーションがとりづらい」というケースを、近ごろよく耳にします。

遺産分けの話し合いを「遺産分割協議」といいます。どなたが主導権をもって話し合うかはケースバイケースですが、被相続人(亡くなった人)の財産を管理している人が中心になることが多いようです。

まずそこで大切なのは、話し合いの主導権をもつ人が、遺産の全部を他の相続人に明示することです。遺産を他の相続人に知らせないで遺産分割協議をしようとしても、疑心暗鬼を生み、話し合いをする場が作れません。

次に、話し合いですが、できれば相続人全員で一堂に会して話し合いするのが良いと思います。意見の交換がスムーズにできるからです。遺産分割の内容は、全員で合意すればどのように決めても結構です。

ただ近ごろは、権利意識や平等意識が高くなったのか、「法定相続分」をベースに分割が行われることもしばしばです。法定相続分とは、民法で定められた、各相続人が遺産をどのくらい相続するかの割合です。

やがて話し合いがまとまったら、決まった内容を「遺産分割協議書」という書面にまとめます。その後の手続きのために、署名して実印を押し、印鑑証明書を添付するのが一般的です。

Tさんのご兄弟は、「ふだんあまり交流がない」そうですが、公正に、正しい手順で、皆さんで一緒に話し合いをすることを心掛けてください。後々トラブルにならないためにも。

更新日:2019年3月14日


田中 裕志(たなか ひろし)氏
司法書士法人あい事務所 代表。
司法書士(簡裁訴訟代理関係業務認定)、行政書士。宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、事業再生士補、貸金業取扱主任者と多くの資格を持つ。
会津若松市出身。千葉大学法学科卒業後、松戸市内の司法書士事務所での勤務を経て、平成10年に会津で個人事務所を開業。平成25年に司法書士法人あい事務所を設立した。平成27・28年度は会津若松商工会議所青年部会長も務め、精力的に活動している。「ひとりひとりの問題解決に、全力を尽くす」をモットーに、一期一会の心構えで仕事を通して地域貢献に努めている。

 

関連記事

家コムからのお知らせ

過去の記事

ページ上部へ戻る