まずは資金計画。大事なお金の話。

「人生を豊かにするライフプランを立てよう！」

文：株式会社あいＦＰ事務所 代表取締役　ファイナンシャルプランナー　菊地智恵 氏

　住宅取得計画はライフプランを作って、自分たちが返していける予算額を知ってからスタートしましょう、といつもお話しています。そういうと、安い微妙な家が出来上がるイメージがあるかもしれません。ＦＰだから節約して、ケチケチした家作れって言うんでしょと思われがちかもしれませんが、そうではなく、家にはしっかりお金をかけていい家を建てて、長く大事に住んで欲しいからこそ、しっかり計算しましょうとお伝えしています。

　それぞれ家庭・収入の事情が違い、夫婦連帯債務で借入可能額をマックスにしないと希望の家が建たない、退職金無しで75歳過ぎまで住宅ローンがある計算になる、フルタイムで働いて収入を得たいけど諸事情で難しい、家は欲しいのに住宅価格高騰等々、１軒も同じ家は無く、いろんな状況にあるはずです。そんな不安とワクワクが入り混じる中で住宅取得を検討すると思うのですが、そこでダメなのは「冒険・チャレンジ・背伸び」です。

　もし、マイホームが手に入った後の人生のことを考えなくていいのなら、めちゃくちゃお金を掛けてもいいのかもしれません。でも、お子さんの進学、家族旅行やキャンプに出掛けたり、たまには少し贅沢な食事をしたり、欲しい洋服や美容、趣味にお金をかけたりという、人生の楽しみも全く惜しんで欲しくないなと思います。家はあっても毎月カツカツでは楽しくないですからね。そうすると、かなり絶妙な住宅取得予算をはじき出す必要があります。

 　でも、人生を楽しみながら家を建てて、老後にお金も残してというのは、難易度高めな技ですよね。それらに少しでも近づくためには、働き方、毎月のやりくり、教育資金の積み立て、住宅取得費、しっかり計画（ライフプラン）を立てる必要があります。ライフプランがあると予定からズレていることにも気づけますし、軌道修正の検討も出来ます。家族で人生のお金について話し合うことはとても大切なことですので、ライフプランを作って難易度高めな絶妙な住宅取得予算、立てて行きましょう。

更新日：2022年10月26日

菊地　智恵（きくちともえ） 氏
株式会社あいＦＰ事務所　代表取締役。
ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー、貸金業取扱主任者。会津若松市出身。住宅ローン取扱業務の経験後、『特定の会社に属さず、客観的な立場から住宅購入をサポートできるようになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするファイナンシャルプランナーとして、第三者的な立場から住宅購入相談を行っている。住宅購入では『知っているか知らないか』だけで将来の家計に1,000万円以上の違いが生まれることから、正しい知識の普及にも努めている。2022年春から、「マイホーム買い方辞典」というサイトも開設した。