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借入金額が増やせてしまうという危険
まずは資金計画。大事なお金の話。
借入金額が増やせてしまうという危険
文:株式会社あいFP事務所 代表取締役 ファイナンシャルプランナー 菊地智恵 氏
最近は住宅価格高騰や共働き増加などから、住宅ローンは「1人」よりも【夫婦2人】で組む方が増えていて(「夫婦2人で組む」には、ペアローン・連帯債務・連帯保証人・収入合算すべて含みます)、その割合は年代全体では38.7%ですが、20代は56.6%と高くなっています。(※1)ペアローンや連帯債務にすると、住宅ローン控除を2人で受けられて“お得”と言われますが、そのメリットとは釣り合わないくらい、【借入金額を増やせる】ということがかなりのリスクであることを、これから組む方、返済中の方も改めて確認してください。
例えば、ひとり(夫もしくは妻)のみで住宅ローンを組もうとしたところ、借入金額は3,500万円が上限だったとします。ご夫婦の希望が注文住宅だとすると、今はその額で土地を買って注文住宅を建てることは難しいので、ちょっと残念に思われるかもしれません。でも、働き具合や収入にもよりますが、夫婦で連帯する・収入を合算するなどして2人で借りることが出来れば、4,500~5,000万円程まで借りられる可能性があり、そうすると土地を買って注文住宅を建てて、外構まで整えてなど選択肢を広げることが出来ます。希望が叶うとなれば、2人で組むことを選ぶ方も多いでしょう。
おそらく「安心して返済する」という視点で言えば、ひとりで住宅ローンを組んで3,500万円に見合った物件を探すという方が、完済まで無理のない返済になり、旅行や趣味にお金を使えるのでお勧めしたいところです。でも「マイホーム=新築」と思っている方も多いですし、住宅価格も高騰しています。2人で組んで借入金額を増やして、選択肢を広げようという方も多くいます。
しかし世の中はコインと同じですべてに裏表があり、欲しいものを思いのままに買えば、その分大きな返済が待っています。5年、10年返せばいいのではなく、35年間420回、子どもの学費でお金が掛かる時も、転職した時も、どんな時も返し続けなければなりません。
人生のリスクの中には、災害・病気などがあり、備えとして保険があります。 突然ですが、では離婚はどうでしょう。次へのステップと思えば離婚はリスクではないかもしれませんが、住宅ローンを2人で組んでいれば、間違い無く離婚はリスクになります。年間の婚姻件数に対する離婚件数の比率では、3組に1組は離婚すると言われていますよね。 家を建てる時に離婚を想像する人はいないと思いますが、人生何があるかはわかりませんし、そういう相談が多いことも事実です。
2人で組むことのすべてが良くないのではなく、信用の問題等でそうせざるを得ないこともあるでしょう。2人で組む時には、売れそうな物件か、夫婦のどちらかにローンを寄せられるだけの収入がある、どちらも正社員または有資格者、まとまった額の金融資産を作れる、などの根拠があれば万が一にも対応出来るかもしれません。
金利が上昇していて住宅ローン種類選定も難しいのに、借入金額を増やすなって無茶でしょって思われるかもしれませんが、マイホームってそこに住む家族が楽しくなければならないと思うので、安易に借入額を増やして数年後に後悔する、なんてことのないようにしていただきたいと思います。
※1 住宅金融支援機構住宅ローン利用者の実態調査2026年1月より
更新日:2026年4月24日

菊地 智恵(きくちともえ) 氏
株式会社あいFP事務所 代表取締役。ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー、貸金業取扱主任者。会津若松市出身。住宅ローン取扱業務の経験後、『特定の会社に属さず、客観的な立場から住宅購入をサポートできる
ようになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするファイナンシャルプランナーとして、第三者的な立場から住宅購入相談を行っている。住宅購入では『知っているか知らないか』だけで将来の家計に1,000万円以上の違いが生まれることから、正しい知識の普及にも努めている。2022年春から、「マイホーム買い方辞典」というサイトも開設した。


























