その金利選択、もしかしたら逆かも?

まずは資金計画。大事なお金の話。

「その金利選択、もしかしたら逆かも?」

文:株式会社あいFP事務所 代表取締役 ファイナンシャルプランナー 菊地智恵 氏

家を建てる(買う)時に、住宅ローンの借入金額と金利タイプを選択しますが、その時に「変動金利」と「固定金利」、どちらにするかは、迷うところですよね。

それぞれのメリットデメリットを理解し、自身のライフプランに合ったものを選ばなければなりませんが、安定がいいけど低い金利には惹かれるし、でも将来金利が上がったとき耐えられるか悩むし、あれこれ検索しても答えが出ず…と迷っちゃうわけです。
ざっくりおさらいですが、変動金利は、市場金利の動向によって適用金利が6ヶ月毎に見直しがあり固定金利は、固定期間中は適用金利が変わらないというものです。基準が違うものなので、一般的に同じ時期であれば固定金利よりも変動金利の方が低い金利でスタート出来ます。
他の方は何を選択しているのか?ですが、「住宅ローン利用者の実態調査(2022年4月調査)」によると、変動金利型:73.9%、固定金利選択型:17.3%、全期間固定型:8.9%と変動金利の圧勝です。
何でそうなるのか?ですが、変動と全期間固定を同じ借入金額で比べると月々の返済額(返済開始時)は1万円超の差が出ますから、変動金利寄りになるのもわかります。さらに周囲から変動金利を勧められることも多いようです。

最近、変動金利が合っていると思う人が全期間固定金利を選択し、固定金利が合っていると思う人が変動金利を選択しようとしている“逆じゃない?”という現象を感じています。 土地・建物・ローンとわーっと手続きが続く中で大変ですが、選択した金利が将来も含めて自分に合っているかどうかは、手続き前に一度立ち止まり考えてみてください。

不安をあおるつもりはありませんが、建築費が上がり、借入金額も5,000万円超が珍しくない昨今、自分に合った予算算出と金利選択は普通に生活していくための重要ポイントだと思うのです。

更新日:2023年8月25日


菊地 智恵(きくちともえ) 氏
株式会社あいFP事務所 代表取締役。
ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー、貸金業取扱主任者。会津若松市出身。住宅ローン取扱業務の経験後、『特定の会社に属さず、客観的な立場から住宅購入をサポートできるようになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするファイナンシャルプランナーとして、第三者的な立場から住宅購入相談を行っている。住宅購入では『知っているか知らないか』だけで将来の家計に1,000万円以上の違いが生まれることから、正しい知識の普及にも努めている。2022年春から、「マイホーム買い方辞典」というサイトも開設した。

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