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住宅ローンの金利上昇期を迎えて
まずは資金計画。大事なお金の話。
住宅ローンの金利上昇期を迎えて
文:株式会社あいFP事務所 代表取締役 ファイナンシャルプランナー 菊地智恵 氏
~変動金利で借りている人が 「今すぐ」始めるべき備えとは~
ここ数年、超低金利の恩恵を受けて住宅ローンを変動金利で組み、マイホームを購入された方は多いのではないでしょうか。毎月の返済額をぐっと抑えられる魅力的な選択肢でしたが、日本の金融政策の転換に伴い、今や「金利上昇」は現実的なリスクとして私たちの生活に迫っています。
「まだ毎月の返済額が変わっていないから大丈夫」と楽観視するのは危険です。変動金利の多くには「5年ルール(5年間は返済額を据え置く)」や「125%ルール(見直し後の返済額の上限を従来の1.25倍とする)」が適用されています。これらは一見、家計を守る仕組みに見えますが、「返済額が変わらない=利息が増えて元金が減りにくくなっている(あるいは繰り延べられている)」に過ぎません。急激な変更を免れているだけで、支払うべき負担の総額が減ったわけではないのです。
では、現在変動金利で返済中で今後返済額が増える可能性がある今、私たちはどのような対策をとるべきでしょうか。
最初にやっていただきたいのが、「ライフプラン(キャッシュフロー表)の再作成」です。
住宅購入時に作成したライフプランは、当時の「超低金利」を前提としたものではありませんか? 金利が0.5%、1%と上昇した際、毎月の返済額や総返済額がどれほど増えるのか。そしてその増額が、将来のお子様の教育費ピーク期や老後資金の準備期間と重なったときに、家計の資金繰りが破綻しないかを客観的にシミュレーションし直すことが不可欠です。
シミュレーションの結果、もし将来的に家計が圧迫される可能性が高いと分かった場合は、早い段階での手立てが有効です。
1.繰り上げ返済用資金の確保に向け、固定費を中心とした家計の見直しを行う
2.教育費や老後資金の貯蓄計画の優先順位を再整理する
3.上記では足りない場合、収入アップや固定金利への借換を検討する
金利が実際に上がり、毎月の引き落とし額が増えてから慌てて家計を締め直すのは、想像以上に大きなストレスを伴います。余裕がある「今」だからこそ、現実的なリスクを数字で把握し、計画的に準備を進めることができるのです。
住宅ローンは「借りたらそのまま返済していく」ものではなく、時代の変化に合わせて見直すことも必要です。「画期的に」「一気に」家計が改善する方法は無いので、まずはご自身の将来のライフプランをもう一度見直し、長期的に変化に強い家計基盤を整えていきましょう。
更新日:2026年8月28日

菊地 智恵(きくちともえ) 氏
株式会社あいFP事務所 代表取締役。ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー、貸金業取扱主任者。会津若松市出身。住宅ローン取扱業務の経験後、『特定の会社に属さず、客観的な立場から住宅購入をサポートできる
ようになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするファイナンシャルプランナーとして、第三者的な立場から住宅購入相談を行っている。住宅購入では『知っているか知らないか』だけで将来の家計に1,000万円以上の違いが生まれることから、正しい知識の普及にも努めている。2022年春から、「マイホーム買い方辞典」というサイトも開設した。
















