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若い方に増えている住宅ローン40年返済
「若い方に増えている住宅ローン40年返済」
文:株式会社あいFP事務所 代表取締役 ファイナンシャルプランナー 菊地智恵 氏
この頃、住宅ローン返済期間を40年にされる方が増えているようです。
返済期間が40年取れる、若い年齢層の方が40年返済の提案を受けて、月々の返済額の低さに魅力を感じて選択しているようです。
会津で家を建てる若い方は、家族でお出かけするのにミニバンを買い、カーローンを抱えている方が大半で、奥様の軽自動車もカーローンにされていて、2台合わせて月々のカーローンの返済が5万円超になっている方も多くおられます。
カーローン返済真っ只中の方が、家を建てようとすると、既に借入している分が圧迫し、住宅ローンの借入額が下がってしまいます。
そうなると例えば、土地+建物で3,000万円超など額の借入が出来なくなってしまうので、住宅ローンにカーローンを組み込んで、月々の負担を減らしましょうとなります。
カーローンやその他のローンの支払いを抱えつつ住宅ローンを組んで返済していくことは、月々の家計をかなり圧迫しますから、組み込んで延ばした方が月々のやりくりは楽になります。
ただ、当然ですが、数年で終わるカーローンを40年に延ばすのですから、その分利息の支払いは多くなるので、理解した上で組み込む必要はあります。
利息をプラスで払ったとしても、何本かの債務をまとめられることは、月々が「楽」だからそれを選択する、という判断もアリだとは思います。
気になるのは、将来(老後)の返済が本当に可能なのかどうかです。
30歳の方が家を建てる時に35年ローンを組むと、65歳で完済することになります。
今、65歳まで働く方が大半なので、収入があるうちに返済が終わることになり、そういう方のライフプランを作らせてもらうと、年金生活に入ってからの収支バランスがとても安定している場合が多く、早く建てるメリットがあると感じます。
40年返済の場合、30歳の方でも完済は70歳で、年金生活でも返済が続きます。ここが大丈夫なのかどうかは今のうちに計算しておくべきです。
もし、繰上げ返済をするつもりの方は、何歳でいくら繰上げをすると何年に完済が出来るのかも想定しておくことをお勧めします。
40年先の完済まで安心して返していけるかは、しっかり計算をしないとわかりません。
35年後は大半の方が老後でしょうし、40年後はもっと老後です。
それまでのライフプランを作った上で計画を進めましょう。
更新日:2021年11月24日
菊地 智恵(きくちともえ) 氏
株式会社あいFP事務所 代表取締役。
ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー、貸金業取扱主任者。会津若松市出身。住宅ローン取扱業務の経験後、『特定の会社に属さず、客観的な立場から住宅購入をサポートできるようになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするファイナンシャルプランナーとして、第三者的な立場から住宅購入相談を行っている。住宅購入では『知っているか知らないか』だけで将来の家計に1,000万円以上の違いが生まれることから、正しい知識の普及にも努めている。