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相続に関するQ&A(2)
文:司法書士法人 あい事務所 代表 田中 裕志 氏
住まいに関わる相続の大切なおはなし その5
相続に関するご相談2
相続に関する具体的な相談をご紹介します。以下は私が実際に以前いただいたご相談と、その回答です。
《相談内容》
祖父の所有する農地が宅地の評価を受けることになりました。祖母は既に他界しており、子どもは長女(私の母)と二女(母の妹)の2人です。母は私に任せたいと言っています。今から準備しておくのはどのようなことでしょうか。(喜多方市 Yさんより)
《回 答》
まず問題を整理することが必要です。土地が「宅地の評価を受けること」になったとのことなので、相続税の対策が必要かもしれません。また、相続人である長女は、「私(祖父の孫)に任せたい」と言っているので、遺産分割の対応や養子縁組の検討をすべきでしょう。
上記いずれの場合も前提として、祖父の財産を確認する必要があります。土地建物、預貯金、株式、貸付金、借入金等一覧にしてみるとわかりやすいでしょう。財産を一覧にすることによって、それぞれの対策を考えることができます。例えば、節税対策は時間(年数)がかかる場合があります。また、納税資金を確保するために不動産を売却しなければならないかもしれません。そのほか、相続人間での公平な遺産分割のために、現金確保の手段として生命保険に入ったほうが良い場合があります。
ただし、おじいさん(祖父)の財産を確認する(聞き出す)には心理的な抵抗がある場合があります。おじいさんにその必要性を認識してもらわなければ難しいでしょう。節税や将来もめないために必要だということをいかにわかってもらうか、ここがポイントです。例えば、一緒に相続セミナーに参加するとか、信頼できる友人等から話してもらうとか、工夫が必要です。
更新日:2019年5月30日
田中 裕志(たなか ひろし)氏
司法書士法人あい事務所 代表。
司法書士(簡裁訴訟代理関係業務認定)、行政書士。宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、事業再生士補、貸金業取扱主任者と多くの資格を持つ。
会津若松市出身。千葉大学法学科卒業後、松戸市内の司法書士事務所での勤務を経て、平成10年に会津で個人事務所を開業。平成25年に司法書士法人あい事務所を設立した。平成27・28年度は会津若松商工会議所青年部会長も務め、精力的に活動している。「ひとりひとりの問題解決に、全力を尽くす」をモットーに、一期一会の心構えで仕事を通して地域貢献に努めている。