生命保険を掛け過ぎないための検討方法

まずは資金計画。大事なお金の話。

生命保険を掛け過ぎないための検討方法

文:株式会社あいFP事務所 代表取締役 ファイナンシャルプランナー 菊地智恵 氏

家を建てる前の予算を決めている時に、毎月の支出を確認させてもらうと、生命保険の割合がすごく大き過ぎる!という方がおられます。

生命保険は時代に合ったいい商品がどんどん作られます。ライフステージ毎に気になることも変わってきて、保険屋さんの提案内容を聞くととても魅力的に感じるものです。まずは医療保険、次はドル建て終身、個人年金、三大疾病、介護・・と保障別に次々加入されている方もいます。

いい保険商品を勧められて、自分に合っていると判断して加入されること自体はぜんっぜん悪いことではありません。ただ、1本1本はいい内容でも「資産全体を把握して加入していない」という状態になっていることがあると感じます。

つまり、自身の資産がすべて保険になってしまって、預貯金・現金が無い状態で、家を買う時に頭金に回せるお金もない、ということになっている方もいるということです。

解約すればいいのかもしれませんが、保険の内容が、例えば、払込60歳までで1,000万円の低解約終身だったりすると、60歳前にやめたら損して受け取ることになります。

生命保険は公的な保障(遺族年金や障害年金、高額療養費制度など)や、ご自身の資産では万が一の時に不足する可能性がある部分を補うものです。

人生のリスクに対して、すべて生命保険で補おうとすると保険料がかさみますから、まずは自身の必要な保障額(①)はいくらなのかと、公的な保障はいくらもらえそうか(②)、すぐに動かせるお金はいくらあるか(③)を算出して、②+③が①よりも少なければ’(下図)、生命保険加入を検討してください。

月々の保険料の支払いは何とかなる額だとしても、何十年と支払えば、数百万円になることもあります。

教育・住宅・老後の人生三大資金の積み立てともバランスをとりつつ、一切無駄のない生命保険加入、したいですね

更新日:2022年2月24日


菊地 智恵(きくちともえ) 氏
株式会社あいFP事務所 代表取締役。
ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー、貸金業取扱主任者。会津若松市出身。住宅ローン取扱業務の経験後、『特定の会社に属さず、客観的な立場から住宅購入をサポートできるようになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするファイナンシャルプランナーとして、第三者的な立場から住宅購入相談を行っている。住宅購入では『知っているか知らないか』だけで将来の家計に1,000万円以上の違いが生まれることから、正しい知識の普及にも努めている。

関連記事

家コムからのお知らせ

ページ上部へ戻る