いろんな補助金があるようですが、いざ自分が家を建てるとなると、資金計画はやっぱり難しいですよね。 まずはどこから考えればいいのでしょう? そこで今回は、会津で住宅取得専門ファイナンシャルプランナー として活躍されている「あいFP 事務所」の菊地智恵さんにお話を伺いました。
◆家を建てるときの資金計画は、まずどこから考えればいいの?
まず、ご自身の現在の収入と支出を調べて家計を把握しましょう。たとえば、月々の生活費がわかれば、年間の支出が見えてきますよね。その後、生涯の収支、子供にかけるお金、老後のためのお金、そして家などの大きな買い物などを考えていきます。ポイントは「今」だけでなく、人生の収支を俯瞰してみることです。
◆生涯の資金計画を立てるのですね。 今回のテーマ「子育て世帯の家づくり」だと、どんな点に注目すればいいでしょう?
教育費と住宅取得費のバランスですね。高校までは、そこまで大きな教育費はかからないと思うので、基本的には日々の生活費の中からやりくりされるご家庭が多いかと。ただ、最近は塾や習い事に通われるお子さんも多いため、その出費も考えるべきです。
◆大学を視野に入れていると、また大きく変わりますが実際費用はどのくらいですか?
大学進学となると、4年間で1,000万円ほどかかる可能性も十分にあります。お子さんが3人の場合は、多子世帯支援制度が拡充されていますが、2,000~3,000万円ほどかもしれないわけです。そのくらい大きい支出が控えているので夢がふくらむより、自分たちの予算で どんな家が建てられるかをしっかり見極めることが大切です。
◆住宅の予算を考えるとき住宅ローンについても みなさん悩むと思いますが、金利の選択も大きなポイントですよね。
そうですね。ローンの金利には「固定金利」と「変動金利」があります。ただ今は金利の上昇局面で、どっちを選ぶのかはすごく難しいと思います。フラット35などの全期間固定金利には、返済額が一定で計画を立てやすいというメリットがあり、変動金利は、固定金利と比較すると金利が低く、日々の支払いが軽減できるメリットがありますが将来、金利上昇の可能性があります。
また、子育て世帯や若年夫婦世帯向けにフラット35には「子育てプラス」という制度があります。詳しくは公式HPをチェックしてみてください。
◆それぞれの金利は、どんな人に向いているのでしょうか?
長期固定金利は、これから教育費がかかるご家庭や、安定した返済を希望する人向けでしょうか。変動金利は、短期間で返済を終わらせられる人や自己資金や贈与がある人向けですかね…金利が上がったときや未払い利息に対応出来ない人は、避けた方が良いと思います。ご自身に合う金利を選択しましょう。
◆予算や自分の性格も考えて金利を選ぶべきですね。特にみなさんに気をつけてほしいことは?
金利上昇を加味した資金計画をすることですね。そこを考えなければ、教育費や老後に影響が出てきてしまう可能性があります。住宅ローンはどんな時も必ず返済しなくてはならないものです。変動金利を選択する場合は、金利が上がったと想定して、返済に耐えられる借入金額にしてください。
◆最後に、子育て世帯で家を検討している方々にメッセージを。
家にお金をかけすぎて、子供とレジャーを楽しめない、学費にお金をかけられない、旅行を楽しめない、では楽しくないですよね。
住宅取得費と、それ以外の人生にかけるお金は、バランスよく考えてほしいですね。
〈取材協力〉
あいFP事務所代表取締役、菊地 智恵 氏
TEL 0242-23-9013