把握してますか? 毎月の支出。

文:株式会社あいFP事務所 代表取締役 ファイナンシャルプランナー 菊地智恵 氏

◇正確に毎月の支出、把握してますか?

適正な住宅ローン金額を算出したり、老後までのマネープラン(ライフプラン)を作る際に必要なことのひとつに、『毎月の支出を書き出してもらうこと』があります。
毎月、何にどのくらいお金を使っているのか、ここを正確に書き出していただくことが、とても大事な作業になります。

もし、毎月50万手取りがあっても、毎月50万以上使っていたり、何にどのくらいお金を使っているかわからなかったり、貯蓄が全然できていないところにローンを組んだら、毎月の返済や固定資産税や火災保険が計画的に払っていけるのか心配ですよね。

“家を建てたら光熱費など変わるから意味ないのでは?”
と思われるかもしれませんが、各費目(食費、通信費、光熱費などの項目)に対して1ヶ月どの位使っていて、どの位貯蓄に回せているか、支出で見直せるところがあるのかを、住宅ローンを組む前にいったん確認していただくことは必要な作業だと思ってください。
“住宅ローンは収入から計算して組むものでは?”
確かにそうです。金融機関は毎月食費どのくらい使っているかなんて聞きません。支出を把握しておくことはローンを組む手前のことだと思ってください。家は建てたら終わりではなく、生活は続きますし、その続いていく生活はローンで大変なものより、楽しいものであって欲しいので、収入と支出のバランスから身の丈に合った金額を出すために、どんなお金の使い方をしているかをご自身が知る必要があります。
もちろん万が一のための貯蓄をしていただくことも必須です。

◇「生活費を少なめで把握していると・・」

家計相談で「貯蓄ができない」というお話を伺うと、毎月、何にいくら使っているか正確に把握されていないという方が少なくありません。
もし、ライフプラン(マネープラン)という老後までのシミュレーションを作る時に、毎月使っているお金が1万とか2万とか少ない数字だったとすると、年間で12万から24万違い、10年では120万から240万違ってきて、プランは40年、50年先まで作るので、トータルで500万~1,000万円、違ったプランが出来上がることになります。
それで黒字のプランが出来上がったとしても何の参考にもなりませんし、そこから住宅予算を算出してしまったら、実際の生活では返済が苦しくなる可能性があります。

◇毎月すこーし生活費を多く使っちゃうが続くと・・

安いとついつい買っちゃうんですよね。 でもそれが毎月積み重なると…

日常の生活での1万、2万ってたいした数字じゃないよね、と思われるかもしれませんし、1ヶ月単位でみるとそうかもしれません。
生活している中では、今月はあの行事があったから支出が多かった、
今月は安いものをまとめ買いし過ぎたから支出が多かった、など、あることだと思いますし、そういう凸凹の支出をうまく皆さんやりくりされているとは思っています。

でも1、2万の生活費が多いという月がついずっと続いていくと、当然ですが、先程と逆で40年50年先には、トータルで500~1,000万マイナスになって老後の貯蓄に影響が出ます。
毎月の支出を振り返る意味でも、1ヶ月すべて支出を書き出して、毎月何にどの位使っているのか把握してみてください。
家を建てるという人生の大きな節目だからこそやっていただきたのです。
どういう風に書き出したらいいかわからない、どこを見直したらいいかわからないという場合はファイナンシャルプランナーに相談してくださいね。
費目のシートは無料で差し上げますよ。

◇まず1ヶ月書き出して振り返る

本当は1年やっていただいて、毎月と年間でかかる特別支出に分けて把握できるとベストですが、まずは1ヶ月すべてを書き出してみてくださいね。
そして、1ヶ月の手取り収入以内でまかなうことが出来なくて赤字だった、外食多いかも、とか、思っていたより交際費使っているな、ということがわかるだけでもかなり意味があります。
しっかり把握すれば、来月は食費を週にいくらまでに抑えて、手取り内でやりくりできるようにしよう、来月は3,000円でも黒字にして、その分を貯蓄用の口座に移せるようにしようと考えることができますよね。

そうして収入と支出のバランスを整えていくということが、住宅ローンを組む前の土台作りのようなものだと思って実践してみてください。
やりくりをうまくやって、支出を減らせたら、住宅ローン返済額にお金を回せるから大きいローンを組めるという意味ではないので気をつけてくださいね。家を建ててからも、生活や旅行を楽しむ、蓄えがあるという状態でいて欲しいという意味です。

「家を建てたら頑張ります!」
そうおっしゃる方もいらっしゃいます。
でも家を建てる前に、毎月のやりくりと返済(完済まで)の目途はつけておいてくださいね。
ローンの返済は努力目標ではなく、必須事項です。
途中でやーめたができませんので、消費増税前に新築したいなとお考えの方は今から土台作り、ぜひ始めてくださいね。

更新日:2017年11月30日


菊地 智恵(きくちともえ) 氏
株式会社あいFP事務所 代表取締役。
ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー、貸金業取扱主任者。会津若松市出身。住宅ローン取扱業務の経験後、『特定の会社に属さず、客観的な立場から住宅購入をサポートできるようになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするファイナンシャルプランナーとして、第三者的な立場から住宅購入相談を行っている。住宅購入では『知っているか知らないか』だけで将来の家計に1,000万円以上の違いが生まれることから、正しい知識の普及にも努めている。

 

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