庭×暮らし×のいえ
樹木と水やり


文:陽樹園 古川 雄一 氏

新しく樹木を植えた際に「水やりはどうしたらよいですか?」と質問を頂く事が多いです。
樹木にとって水は光合成をしてご飯を作るのに使います。
また、葉から水分が蒸発していて自分の体の温度調整の役割をしています。

夏に打ち水をすると周囲の温度が下がりますよね?
打ち水効果と言いますが、夏の木陰が涼しいのは日陰のおかげばかりではなく、葉から水分が蒸発する打ち水効果によって周囲の温度を下げ、自分の体を守っているのです。

では、水やりのタイミングはと言うと、午前中の早い時間帯が良いです。
光合成を盛んに行う温度は25℃前後なので、25℃より低い温度の時に水やりは終えていたほうが、樹木は嬉しいはずです。
水やりの時期は4月下旬~10月中旬を目安にしてください。

ただし、ずっと水やりをしなければならない訳ではありません。樹木を植えた際にはどんな大きさの樹木でも生まれたての赤ちゃんだと思って下さい。
人間も樹木も生まれたての赤ちゃんは面倒を見てあげないと生きていけません。2歳3歳4歳と少しずつ手がかからないようになっていきます。
しっかりと大地に根を張って 水やりのほとんど不要な一人前になるまでは5年程度かと思いますが、これも人間と一緒で一概に何年とは言い切れません。

水やりは真夏の暑い時以外は1日1回がよいでしょう。1日に何度も水やりをして土が湿った状態が続くと、根が成長しなくなります。
乾燥と湿潤を繰り返すことにより根は伸長成長するようになります。
樹木を日々観察して声を聞いてあげてくださいね!

更新日:2021年11月24日


古川 雄一(ふるかわ ゆういち) 氏
陽樹園」代表。会津若松市内の造園会社に17年在籍後、独立する。
様々な資格を持ち、独自のスタイルで作る庭は高い評価を得ている。
樹木医、一級造園施工管理技士、一級造園技能士、松保護士、自然再生士。

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