ゆとりある家計の大前提は「情報共有」

まずは資金計画。大事なお金の話。

ゆとりある家計の大前提は「情報共有」

文:株式会社あいFP事務所 代表取締役 ファイナンシャルプランナー 菊地智恵 氏

夫婦がお互いの給料をそれぞれでやりくりする世帯も多いと思いますが、それで怖いのはお金についての会話が無く、お互いが“貯めてくれていると思っていた”となることです。

新築を建てたいというご夫婦に聞き取りをさせてもらった時に、お互いが「え、貯めてなかったの?」と超険悪で話が進まなくなってしまったというのは実際にあったことで、忘れられない話です。

最近の相談では、夫婦がそれぞれ給料の収支管理をしていることも多いようです。それは世帯毎で自由なわけですが、どの管理方法の場合も、(1)収入・支出・預貯金額をお互いに確認する、(2)月1回内容を共有する、(3)一緒に1年の積立目標を立てるが出来れば、冒頭のようなことは少なくとも防げますよね。

わかってるけど家でお金の話はしにくい…のかもしれませんが、自分の小遣いはプライベート部分として開示はせず、生活に必要な部分は「会社」だと思ってみてはいかがでしょう。会社であれば月の締め、決算、役員同士の話し合いがあって当然です。ぜひ、将来倒産(老後家計破綻)しないように「情報共有」で収支確認をされることをおすすめします。

お金を貯めるって、かなり難易度高いことだと思います。先取り貯蓄すればいいって人には言ってる私も、物欲強めで、数年前まで全く出来ていませんでした。収入の高い低いは関係ないし、画期的な方法もないので、目標を決めて家族で一致団結して地味にコツコツ継続していくしかありません。

私がライフプランを作って欲しいと常に伝えている理由は、大きすぎる住宅ローンを抱える方を見てきて、建てる前に何とかしないとまずいと思ったからです。ライフプランを作ってから家を建てれば、苦しいローンにはなりません。さらに、これからの毎年の収支と、一生涯の預貯金額がライフプランで算出されるので、前出の家計決算時にライフプランと実績の比較が出来るようになるので、ぜひ活用して欲しいなと思います。

更新日:2023年10月27日


菊地 智恵(きくちともえ) 氏
株式会社あいFP事務所 代表取締役。
ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー、貸金業取扱主任者。会津若松市出身。住宅ローン取扱業務の経験後、『特定の会社に属さず、客観的な立場から住宅購入をサポートできるようになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするファイナンシャルプランナーとして、第三者的な立場から住宅購入相談を行っている。住宅購入では『知っているか知らないか』だけで将来の家計に1,000万円以上の違いが生まれることから、正しい知識の普及にも努めている。2022年春から、「マイホーム買い方辞典」というサイトも開設した。

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