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金融機関で差が付く「団信」の選び方
まずは資金計画。大事なお金の話。
金融機関で差が付く「団信」の選び方
文:株式会社あいFP事務所 代表取締役 ファイナンシャルプランナー 菊地智恵 氏
1 団体信用生命保険(団信)とは?
住宅ローンを借りる際、ほとんどのケースで加入が必須となるのが「団体信用生命保険(団信)」です。これは、契約者に万が一のことがあった場合(死亡・高度障害)、保険金で住宅ローン残高が完済されるという仕組みで、残されたご家族が「住まい」と「ローン返済」の心配から解放されるための必須のセーフティネットです。
2 団信はどこも同じではない。金融機関ごとの選択肢の差
多くの方が住宅ローンの金利に注目しますが、実は団信の種類や上乗せ金利も、金融機関選びの重要なポイントとなります。
・一般団信(死亡・高度障害時を保障)・・・多くの金融機関で金利に込み(つまり無料)
・ガン・三大疾病付団信・・・ガン保障までは金利に込みの金融機関も多い。
三大疾病保障付は0.2%程度上乗せが多い。
・就業不能保障付き団信・・・0.2~0.3%上乗せが多い。
・ワイド団信(健康状態に不安がある方向け)・・・取扱いしていない金融機関も。0.3%程上乗せ。
同じ内容の団信でも、A金融機関では無料、B金融機関では0.3%上乗せということもあります。
3 団信選択のチェックポイント
(1)保障範囲と支払い条件の確認
三大疾病保障や就業不能保障に加入する場合、「保険金支払いの条件」を確認してください。
特定の疾病と診断された時点で残債がゼロになる、病気やケガで就業不能状態が一定期間(例:12ヶ月など)続いた場合に残債がゼロになるなど、保障内容を理解してください。
(2)健康状態と金利上乗せのバランス
別の生命保険で保障を十分に確保出来ている方は、あえて金利を上乗せして特約付き団信に加入する必要はないという考え方もありますが、一旦比較検討してください。
一方で、保障が手薄な方や、ご自身の健康リスクが高いと感じる方は、多少の金利上乗せを許容してでも、手厚い特約付き団信を選ぶ価値は高いと言えます。これにより病気やケガで働けなくなった際でも、続く住宅ローン返済を団信でカバー出来ます。
4 団信で大きな保障を得る
年齢(加入年齢や完済時年齢)や健康状態により、希望する団信に加入出来ないこともありますので、一般団信以上の団信に加入を希望される場合は50歳前に検討されることをお勧めします。
住宅ローンは人生で最も大きな借金であると同時に、最も大きな保障を得る機会でもあります。金融機関を選ぶ際は、金利の低さだけでなく、団信という「家族を守るための保険」の選択肢にも目を向け、複数の金融機関を比較検討することが重要です。
更新日:2025年12月23日

菊地 智恵(きくちともえ) 氏
株式会社あいFP事務所 代表取締役。ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー、貸金業取扱主任者。会津若松市出身。住宅ローン取扱業務の経験後、『特定の会社に属さず、客観的な立場から住宅購入をサポートできる
ようになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするファイナンシャルプランナーとして、第三者的な立場から住宅購入相談を行っている。住宅購入では『知っているか知らないか』だけで将来の家計に1,000万円以上の違いが生まれることから、正しい知識の普及にも努めている。2022年春から、「マイホーム買い方辞典」というサイトも開設した。


























