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エネルギーのベストマッチ!~それぞれの得意なことを~
エネルギー:ガスのお話 その1
エネルギーのベストマッチ!~それぞれの得意なことを~
文:会津ガス株式会社 財務部 取締役 相馬 寛司 氏
◇たいせつなことは何か
「あなたは、なぜ家を建てるのですか?」そんな問いに、どう答えますか?
『子供が大きくなって手狭になったから』
『祖父の代の建物で、冬寒くてね』
『息子にお嫁さんが来て一緒に住むようになるから、若い人と一緒に住めるように』
などなど、人それぞれの答えがあると思います。
動物たちが巣を作るのは、「外敵から身を守るため」とか「子孫繁栄のため」とか切実な理由があるからだと思います。ところが、私たち人間はそのような生命維持のための切羽つまった理由により住み家を作るのではないようです。
冒頭のように、人が家を建てる多くの理由は、家族です。笑顔の家族が団らんをしている情景を思い描きながら家のプランを立てます。
つまり家を建てる理由は人それぞれでも、『家族が快適に、そして幸せに生活するため』というのがたいせつなことなのではないでしょうか。
◇エネルギーを使う理由
では、エネルギーはどうでしょうか。人はなぜエネルギーを使うのでしょう?
例えばガスというエネルギーは、お風呂を沸かして一日の疲れを癒したり、子供たちの大好きなカレーライスを作ったり、空調で暑さ寒さを和らげたりすることに使用されます。
そうです、エネルギーを使う理由も、前段の「家を建てる理由」とまったく同じです。たいせつなことは、『家族が快適で幸せに生活するため』なのです。
では、そのためには、具体的にどのようなエネルギーを使えばいいのでしょうか?
◇エネルギーのベストマッチ
一言でエネルギーと言っても、様々なものがあります。電気・灯油・ガソリン・プロパンガス・都市ガスなどなど。最近では「水素」などという新参エネルギーもでてきました。
そして、計算が得意な子供、あるいはサッカーが得意な子供がいるように、エネルギーにも得意なことがそれぞれあるのです。一例を挙げれば、光を作るのが得意なのは電気、炎を作るのが得意なのはガス、というようなことです。
つまり『家族が快適で幸せに生活するため』には、特定のエネルギーだけを使えばいい、というわけではありません。エネルギーを使う目的や状況に合わせて、それぞれの得意技を最大限に活かす「エネルギーの選択」が重要なのです。これが『エネルギーのベストマッチ』です。
これからご自宅の新築やリフォームをお考えの方々には、ぜひ「エネルギーのベストマッチ」を考えていただきたいと思います。それには、「経済性」はもちろんのこと、「環境への負荷が少ない」あるいは「災害に強い」というような、「それぞれのエネルギーの得意技」を知っていただくことが第一歩です。
◇注目されはじめた「火育」
「それぞれのエネルギー」とは言ったものの、私の会社はプロパンガスというエネルギーをお届けする会社ですので、ガスのお話をさせていただきます。
ガスが得意なのは炎を作ること、と前段に書きました。今、この「炎・火」が注目されているのです。
皆様も食事の仕方や、箸の持ち方を、幼い時にしつけされたことと思います。衣食住と言われるように、生活の基本として『食』は昔から大切にされています。
健康と生命維持のための食がクローズアップされる一方、食の安全等々、食を取り巻く環境が大きく変化しており、政府でも国をあげて『食育』に取り組んでいます。
この『食育』と一緒に注目されはじめたのが『火育(ひいく)』です。人間は『炎』を手に入れることで飛躍的に進化したことはお聞きになったことがあると思います。炎で害獣から身を守り、炎で暖をとり、炎で肉を焼くという調理方法をあみだしました。
人類にとって無くてはならない炎・・・ところが、現代は炎を身近に感じたことが無い子供達が増えています。『生きる力』を育むために、あえて裸火を感じる教育の必要性が論じられ始められたのです。薪の炎を囲んだキャンプでの食事や談笑、あるいはキャンプファイヤーでの高揚感や安心感、親の年代が経験した『炎』を子供達に伝え、生きる力を感じるようにと。
つまりガスはひいては、「生きる力を育むエネルギー」と言えるのではないでしょうか。
今回のお話で、皆様にガスに興味を持っていただければ有り難いです。次回からもガスの得意なことや、ガス機器の進化など、書いていければと思います。
皆様にガスのことをより良く知っていただき、『エネルギーのベストマッチ』のためにそして『家族が快適で幸せに生活するため』に、少しでもお役に立てれば幸いです。
更新日:2017年7月21日
相馬 寛司(そうま かんじ)氏
会津ガス株式会社 財務部 取締役。
会津若松市出身。大阪経済法科大学法学部を卒業後、金融関係やマンションデベロッパーの営業を経て、平成22年に会津ガス株式会社に入社。宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、毒物劇物取扱責任者、第二種販売、液化石油ガス設備士などの資格を持つ。
会津ガス株式会社は、福島県内に7ヶ所しかない経済産業省指定の災害時対応『中核充てん所』のひとつ。相馬氏はその地域への使命を胸に、「災害時でも安定供給が可能なエネルギーであるプロパンガスを、多くの方により良く知っていただきたい」と、業務に熱意を注いでいる。